「メニューからみた食卓調査2016」結果の速報

2016年12月22日

メニューからみた食卓調査2016」結果の速報
― ネット見て「早く・簡単・楽ちん」メニューを食卓・お弁当に ―

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株式会社日本能率協会総合研究所(代表取締役社長:加藤文昭 本社:東京都港区)は、08年から毎年継続している最新調査として、16年7月に20代~60代主婦を対象に、「メニューからみた食卓調査2016」を実施いたしました。本調査は、主婦の調理に関する手作り・こだわり意識や、加工食品・中食の利用実態、その変化を検証するために企画・実施したものです。

メニュー情報源のトップはネットのレシピサイト、20代~40代のNo.1情報源に。50代・60代でも利用拡大中。

「レシピサイト」は、09年の36%から16年でほぼ倍増。20代では11年に1位、30代では13年に、40代では14年に、7割を超えて1位。60代では16年で「新聞記事」と逆転。

主食系の手作りメニュー「チャーハン」は、“素”や「冷凍食品」の拡大で、中食利用は5人に1人に増加中。

「チャーハン等」は手作りメニューが65%。中食メニューが19%で、09年から16年で5ポイント増加。「市販の冷凍食品」を「電子レンジで調理」が2割、「フライパンで調理」が1割超。

家庭の定番メニュー「餃子」を手作りする人は減少。「冷凍食品」「生餃子」を買って「フライパンで焼く」へ。

月に1回以上登場するメニューで「餃子」は72%。手作りメニューでは37%。「冷凍食品を利用する」が30%から48%に、「市販の生餃子を利用する」が36%から42%に、年々増加。

お弁当作りに、40代~50代では「冷凍食品」が必須。20代ではおかずの使いまわしと、前日に「キャラ弁」づくり。

お弁当作りが日課の主婦は、40代で最も多く77%、60代で最も少なく27%。「市販の冷凍食品を利用」は40代で77%、50代で70%。20代は、「おかずに常備菜を使う」が目立つ。

“常備菜”を作るシーン、60代はもう一品、ご飯のおともに。20代~40代はまとめ買い時・お弁当用に作り置く。

「メニューを一品増やすため」は60代で最も多く、「安い食材をまとめ買いした時」は30代で多い回答。「休日や時間のある時に」は20代で4割超、「お弁当用に」は40代・20代で3割超。

【調査概要】
  • 調査対象: 首都圏・中部圏・近畿圏に居住する、20代~60代の主婦(既婚女性)
  • 調査方法: 日本能率協会総合研究所「モニターリサーチ・システム」利用によるFAX調査
  • 有効回収数: 1,065人(発送数1,500人、有効回収率71.0%)
  • 調査実施日: 2016年7月6日(水)~7月13日(水)

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メニュー情報源のトップはネットのレシピサイト、20代~40代のNo.1情報源に。50代・60代でも利用拡大中。

メニューの作り方・レシピの情報源について聞いたところ、「インターネットのレシピサイト等」が71%と7割を超えて1位、次いで2位の「料理本・レシピ集」、3位の「テレビ番組」がともに5割台、以下「母親・姑(義母)」が4割台、「雑誌記事」が3割弱と続きます。
「レシピサイト」は、時系列でみると、最初に情報源を聞いた09年では36%と5位に過ぎなかったものが、14年から1位の情報源となり、09年から16年でほぼ倍増です。
「レシピサイト」の増加を年代別にみると、20代では11年にいち早く8割を超え、1位の情報源となり、以降9割前後をキープしています。その後30代では13年に、40代では14年に、7割を超えて1位の情報源となりました。20代・30代・40代とも、それまで1位だった「料理本・レシピ集」から、「レシピサイト」に取って換わりました。
50代では、「レシピサイト」が09年の3割弱から16年の6割強に倍増しましたが、1位は僅差で「料理本・レシピ集」、「テレビ番組」も6割弱と高くなっています。
60代では、09年から15年までの順位は、1位「テレビ番組」、2位「料理本・レシピ集」、3位「新聞記事」でしたが、16年では「レシピサイト」が5割を超え、僅差ながら「新聞記事」と逆転して3位となりました。

図表1 メニューの作り方・レシピの情報源(MA)

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主食系の手作りメニュー「チャーハン」は、“素”や「冷凍食品」の拡大で、中食利用は5人に1人に増加中。

あらかじめ65項目のメニューの選択肢を挙げ、手作りすることが多いメニューを聞いたところ、「チャーハン・ピラフ・焼き飯」を挙げた主婦は65%と3人に2人でした。同様に、中食利用の多いメニューを聞いたところ、「チャーハン等」は19%と5人に1人でした。
時系列でみると、手作りメニューの「チャーハン等」は、09年には7割を超えていましたが徐々に減少傾向で、09年から16年で5ポイント以上少なくなりました。一方、中食メニューの「チャーハン等」は、09年から16年で5ポイント増加しています。
チャーハンの作り方を聞いた設問では、7割以上が「野菜・肉等の材料を包丁等で細かく刻む」「塩・こしょう・しょう油等の基本調味料で味をつける」「フライパンで炒める」と回答しており、“手作り”の手順で作ることが一般的だと思われます。一方で、「市販のチャーハンの素を使う」が3割、「市販の冷凍食品」を「電子レンジで調理」するが2割、「フライパンで調理」するが1割を超えており、便利な市販品を利用している人も少なからずいます。
チャーハンは、残りご飯とありあわせの具材でさっと作ることのできる、主食系ワンディッシュの“お助けメニュー”ですが、手作りではなく市販品を買って作る人も徐々に増えてきているようです。

図表2 チャーハンの作り方(MA)

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家庭の定番メニュー「餃子」を手作りする人は減少。「冷凍食品」「生餃子」を買って「フライパンで焼く」へ。

65項目のメニューの選択肢を挙げ、月に1回以上食卓に登場するメニューを聞いたところ、「餃子」を挙げた主婦は72%でした。手作りすることの多いメニューでは、「餃子」は37%でした。
時系列でみると、月1回以上登場の「餃子」は、10年~11年で77%のピークをはさみつつ、08年から16年にかけて7割台をキープしており、家庭の定番メニューとして定着している様子です。手作りメニューに挙げた主婦は08年から11年までは4割半でしたが、その後減少傾向です。
餃子の作り方を聞いた設問では、6割以上が「フライパンで焼く」と答えており、“自宅で焼いて”調理することが一般的なようです。また、半数以上が「皮に具を入れ、餃子の形に包む」「ひき肉に野菜・調味料等の材料を混ぜて具を作る」と答えており、“手作り”していると思われる手順が多数派です。しかしながら、その“手作り”手順は11年までの6割台から12年以降5割台に減少しています。
代わって、08年から16年で、「冷凍食品を利用する」が30%から48%に、「市販の生餃子を利用する」が36%から42%に、それぞれ年々増加し、半数に近づきつつあります。
家庭の定番メニューである「餃子」も、まだ“手作り”が一般的ながらも、市販品を買ってきて「フライパンで焼く」メニューに変わりつつあるのかもしれません。

図表3 餃子の作り方(MA)

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お弁当作りに、40代~50代では「冷凍食品」が必須。20代ではおかずの使いまわしと、前日に「キャラ弁」づくり。

お弁当を日常的に持っていく家族を聞き、自分や家族の誰かしらに回答があった、お弁当作りが日課の主婦は58%、「あてはまる人がいない」は42%でした。お弁当を持っていく家族がいる主婦は、最も多かったのが40代の77%、次いで50代の67%、最も少なかったのが60代の27%でした。
お弁当を持っていく家族がいる主婦に、お弁当作りについてあてはまることを聞いたところ、「市販の冷凍食品を利用する」は、40代で最も高く77%、次いで50代で70%でした。40代~50代は、お弁当を持っていく家族も多く、自身も働いている人が多い忙しい主婦です。「冷凍食品」はそうした年代では必須のアイテムとなっているようです。
一方、「おかずはお弁当用に新しく作る」は、40代~60代で半数を超えていましたが、20代では4割に過ぎませんでした。
各年代中20代が最も多く目立ったのは、「おかずに冷蔵の常備菜(作り置きした日持ちするおかず)を使う」「おかずに自家製の冷凍保存(ホームフリージング)したものを使う」「お弁当は前日に詰めておく」「キャラ弁(キャラクターの顔などを食材で作るお弁当)を作る」でした。20代では、お弁当に入れるために、おかずを作り置いて保存するという、おかずの使いまわしが目立ちます。また、小さい子供のために、手の込んだ「キャラ弁」を前日に作るということが特徴となっているようです。

図表4 お弁当作りの実態(MA)

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“常備菜”を作るシーン、60代はもう一品、ご飯のおともに。20代~40代はまとめ買い時・お弁当用に作り置く。

常備菜(作り置きした日持ちするおかず)について、何を意識してどのようなものを作ることが多いか聞きました。何らかの回答があった、常備菜の作り置きをしている主婦は全体で76%、「常備菜の作り置きはしない」が24%でした。常備菜の作り置きをしている主婦を年代別にみると、60代では85%と高い一方、20代~50代では7割台でした。
常備菜作りは「メニューを一品増やすために作り置く」「安い食材をまとめ買いした時に作り置く」という回答が3割を超えていました。「メニューを一品増やすため」は60代で最も多く、「安い食材をまとめ買いした時」は30代で多い回答でした。「休日や時間のある時に作り置く」は20代で4割を超えて高く、「お弁当用に作り置く」は40代・20代でともに3割を超えていました。「ご飯のおともになるものにする(ふりかけ・佃煮等)」は60代で2割と目立っています。
60代では、もう一品のメニューとなるものや、ご飯のおともになるものを作り置くという、常備菜としてイメージしやすいシーンが、煮物・漬物などの野菜メニューを中心に特に高く目立っています。しかしながら、50代以下ではこうした常備菜イメージは多くありません。一方20代~40代では、まとめ買いした時や時間のある時に、お弁当用を意識してのおかずの使いまわしの工夫として、常備菜を作り置いているようです。

図表5 常備菜作りについての該当事項(MA)

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調査の内容

「メニューからみた食卓調査2016」は、20~60代主婦を対象に、主婦の調理に関する手作り・こだわり意識や、加工食品・中食の利用実態、その変化を検証するため、下記項目について調査を企画・実施いたしました。
1)料理・食に対する意識・行動
2)日常メニューのポジショニング
メニュー65品目:①定番メニュー ②手作りメニュー ③イベントメニュー ④中食メニュー
3)代表メニューの作り方
調理実態:①カレー ②パスタ・スパゲッティ ③ピザ ④チャーハン ⑤餃子 ⑥コロッケ ⑦鍋料理
4)夕食・朝食・お弁当作り・常備菜について
メニューレシピの情報源
夕食シーン:①家族全員の夕食頻度、②夕食メニューの決め方
朝食シーン:①家庭での朝食頻度、②朝食の準備、③朝食メニュー
お弁当:①お弁当を持っていく家族、②お弁当作りの意識・行動
常備菜:常備菜の実態
5)中食利用と買い物行動
市販の素・調理用ソース・簡便調味料:利用品目
中食・外食の利用:①よく行なう、②抵抗感
買い物行動:食品購入時の心がけ

これまで、2008年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年に「メニューからみた食卓調査」を実施しており、本調査はその継続調査です。

本調査は、食卓とメニューの生活者データベースとして、食生活のマーケティング戦略に必要不可欠な基礎調査データとなります。今回はその中から、「メニューの作り方・レシピの情報源」「チャーハンの作り方」「餃子の作り方」「お弁当作りの実態」「常備菜作りについての該当事項」に焦点を当てて結果の速報を報告しています。

調査購入のご案内

本調査は、弊社自主企画による調査に複数企業がご参加いただく方式で実施し、以下のアウトプット一式を提供いたします。

購入費用

  • 定価420,000円(税別)/MDBメンバー価格380,000円(税別)

調査のアウトプット

  1. 調査報告書:A4判・50ページ・2016年9月発行
  2. 集計結果数表:A4判・471ページ・2016年8月発行
  3. 集計データ(CD-ROM):クロス集計、ローデータ、他

※本調査の成果物の著作権は(株)日本能率協会総合研究所が保有します。

※弊社は、本調査にご参加・購入いただいた企業(法人・個人)以外には、成果物を提供いたしません。ただし、本調査を告知するための限定的な利用、及び発刊から一定期間経過後はこの限りではありません。

※本調査の成果物のご利用はご参加・購入いただいた企業(法人・個人)の内部でのご利用のみに限らせていただきます。

本件についてのお問い合わせ先

株式会社日本能率協会総合研究所

消費者研究部  担当:土井
〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル2階
TEL:03-6202-1287 FAX:03-6202-1294 E-mail:info_mlmc@jmar.co.jp

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