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2022.11.21 UP

新規事業開発の進め方【第5回】






第1回から第3回までの活動で新事業のテーマを策定し、第4回からはビジネスプラン策定ステージに進んでいます。前回の第4回では、新事業テーマを俯瞰的に捉えて機会と脅威を認識するSWOT分析、ビジネスモデル策定の前半部分である市場動向把握と顧客ニーズ分析についてご説明しました。今回の第5回では後半の事業フォーメーションの作成方法とビジネスモデルの評価方法について解説します。


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1.事業フォーメーションの作成

ビジネスモデル構築のためには、提供する製品、サービスについて、以下の項目を検討することが必要です。

・顧客(誰に:対象顧客)
・提供価値(何を:顧客にとっての便益、機能など)
・提供方法(どのように:ルート・告知方法など)

これまでの活動で得られた情報や知見などを検討材料として加味して、これらの事項について検討することにより事業の持続性、収益性などを具体化することができます。
こうして検討した結果を、その事業に関わるプレーヤー(顧客を含む)のすべて、つまり登場人物すべてを書き出し、その関係性を図表に示したものを事業フォーメーションと呼びます。ビジネスモデルはこの事業フォーメーションとしていう形式で表現されることが多いです。
プレーヤーとは顧客と自社だけでなく、間に入る流通業者、サービス会社、管理会社や自社の調達先、加工事業者、委託事業者なども含みます。また事業内容によっては資金獲得のための金融機関や、情報発信を担う広告宣伝機関を登場させることもあります。
こうしたプレーヤーの関係性を矢印で結びますが、関係性にもいくつかの種類があります。代表的なものでは以下の3種類があります。

・お金の関係:売買、貸し借りなどの入出金の発生
・モノの関係:物流であり調達物流から顧客へのデリバリーまで
・情報の関係:顧客への情報発信や広告宣伝、注文や問い合わせ対応などのコミュニケーションも含めたやりとり

こうした関係性を矢印で結び付けることにより、その事業の成り立ちをつかみます。
事業フォーメーションを作成すると「だれに」「何を」「どのように」が明らかになるだけでなく、「だれからお金をもらうか、お金の流れは適切か」などといった「どのように収益を上げる仕組みになっているか」を検討することができます。


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ビジネスモデルは新事業のテーマごとに作成します。また、ひとつの新規事業テーマでも、検討中に市場の区分などで異なるお金やモノの流れが想定できるようであれば、複数のビジネスモデルに分けて作成します。

2.ビジネスモデルの評価

新事業のテーマについては、市場規模や成長性、競合との比較、顧客ニーズなどといった市場性からの視点で評価をしますが、一方でビジネスモデルそのものも評価します。
評価視点はとしては主に以下の3点があります。

・新規性・ユニークさの有無
・持続性の有無
・収益性の有無

新規性・ユニークさについては、世の中にとって新しいかどうか(新規性)、たとえ他社が手掛けていても自社として工夫や違いがあるかどうか(独自性、差異化要素の有無)、で判断します。
持続性は、ここで取り組もうという事業(製品、サービス)が一過性に終わらないか、またその事業を続けることで次の事業に発展する可能性を持っているか、で判断します。
収益性とは、お金のもらい方が明確か、価値に見合った対価が得られるか、を判断します。通常の商品売買であれば課金の仕組みは明確ですが、ネットサービスなど、利用者は無料で収益源は広告による、といったビジネスモデルでは収益性が重要な判断指標になります。
ビジネスモデルは評価項目に沿って、○△×など評価し、その評点理由を備考欄に記載する方法で相対評価します。


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第6回ではこれまでの活動成果をビジネスプランとして集成する方法についてお送りする予定です。




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