新事業開発への取り組みは、前回の活動でビジネスモデルの策定・評価まで進みました。最終回は、これまでの活動を集成するビジネスプランの作成方法について解説します。
※無断転載・引用禁止
1.ビジネスプランの目的
これまで検討・調査・評価してきた新規事業テーマについて、どのような事業なのか、今後どのように新事業開発を進めていくのか、を明らかにするためにビジネスプランを作成します。
ビジネスプランの作成の目的は複数あります。第一は、トップに意思決定させるためです。ビジネスプランは、これから必要となる投資の判断、専属人員の確保、開発組織の承認、他社との事業連携の判断、さらには事業化の GO/STOPといった意思決定を仰ぐ上での重要なツールと位置付けられます。
第二は、新事業開発の実施担当者に目標を与え動機づけるためです。ビジネスプランを描いてみると、時間軸のなかでどれくらいの規模を目指すべきなのかが明らかになるとともに、今後事業化に向けて解決すべき課題も明らかになり、担当者自身の意識付けとなります。
第三は、金融機関等の外部から資金を調達するためです。投資に見合う事業かどうか、成長が見込める事業であるかを明らかにするためのものになります。
こうした目的を達成する要件として、ビジネスプランでは、トップが判断できる基礎的なデータを含んでいること、目標およびそれを達成するための方策が明確になっていることが求められます。
担当者自身の持つ新事業への意欲と熱意は重要ですが、それだけではなかなかトップは意思決定できず、客観的に判断できるデータが不可欠です。また、目標が明示されていても、それをどのように実現していくかの方策が明記されていないと画餅に終わってしまいます。ビジネスプランはデータや方策の提示によって具体性と論理性を具備している必要があります。
2.ビジネスプランの構成
ビジネスプランの基本的な構成は下記の通りです。下記以外にも説明のための補足資料は適宜準備します。
1)目的および狙い
2)事業環境動向
3)事業特性
4)商品・事業イメージ
5)狙うべき市場・顧客と参入方策
6)事業計画概要(概略)
7)開発計画(概略)
8)将来事業展開イメージおよびリスク対応
上記の中でも重要な、5)狙うべき市場・顧客と参入方策、について解説します。
第5回の事業フォーメーションでも、計画する製品・サービスの提供対象となる顧客(誰に提供するか)を検討しましたが、ビジネスプランではさらに細分化して、狙うべき市場・顧客を設定します。顧客ニーズの動向や志向性をつかみ、顧客の特性や特徴に合わせた訴求方法や、購入に至る決定要因などを把握するための検討を行います。製品・サービスが複数の顧客層をターゲットにするケースであれば、顧客層別にその内容を記載する必要があります。
顧客ニーズは性能・機能、経済性、趣味・嗜好などに分解できます。各市場・顧客においてどのようなニーズがあるか、そのウェイト配分についても明らかにします。
BtoB取引の場合は、顧客企業の経営規模、経営状況、事業形態、商品の扱い状況などの属性や実態を確認します。顧客企業の先に最終的なユーザーがいれば、その属性に関しての把握も必要です。
参入方策については、技術やブランド、製品・サービスの性能といった購入決定要因によって方策が異なります。たとえば、顧客の購入決定要因が実績重視であれば、無償・有償などのモニタで十分に実績を作って訴求する、といった方策を検討します。
こうした狙うべき市場・顧客を細分化する際は主観に頼らず、これまで行ってきた顧客ニーズに関する文献調査やインタビューなどのフィールド調査の結果に基づき、必要に応じてさらなる調査を加え、客観的に分析することが重要です。
まとめ方の例として、下図のようなテンプレートを使用する方法もあります。
これまで検討・調査・評価してきた新規事業テーマについて、どのような事業なのか、今後どのように新事業開発を進めていくのか、を明らかにするためにビジネスプランを作成します。
ビジネスプランの作成の目的は複数あります。第一は、トップに意思決定させるためです。ビジネスプランは、これから必要となる投資の判断、専属人員の確保、開発組織の承認、他社との事業連携の判断、さらには事業化の GO/STOPといった意思決定を仰ぐ上での重要なツールと位置付けられます。
第二は、新事業開発の実施担当者に目標を与え動機づけるためです。ビジネスプランを描いてみると、時間軸のなかでどれくらいの規模を目指すべきなのかが明らかになるとともに、今後事業化に向けて解決すべき課題も明らかになり、担当者自身の意識付けとなります。
第三は、金融機関等の外部から資金を調達するためです。投資に見合う事業かどうか、成長が見込める事業であるかを明らかにするためのものになります。
こうした目的を達成する要件として、ビジネスプランでは、トップが判断できる基礎的なデータを含んでいること、目標およびそれを達成するための方策が明確になっていることが求められます。
担当者自身の持つ新事業への意欲と熱意は重要ですが、それだけではなかなかトップは意思決定できず、客観的に判断できるデータが不可欠です。また、目標が明示されていても、それをどのように実現していくかの方策が明記されていないと画餅に終わってしまいます。ビジネスプランはデータや方策の提示によって具体性と論理性を具備している必要があります。
2.ビジネスプランの構成
ビジネスプランの基本的な構成は下記の通りです。下記以外にも説明のための補足資料は適宜準備します。
1)目的および狙い
2)事業環境動向
3)事業特性
4)商品・事業イメージ
5)狙うべき市場・顧客と参入方策
6)事業計画概要(概略)
7)開発計画(概略)
8)将来事業展開イメージおよびリスク対応
上記の中でも重要な、5)狙うべき市場・顧客と参入方策、について解説します。
第5回の事業フォーメーションでも、計画する製品・サービスの提供対象となる顧客(誰に提供するか)を検討しましたが、ビジネスプランではさらに細分化して、狙うべき市場・顧客を設定します。顧客ニーズの動向や志向性をつかみ、顧客の特性や特徴に合わせた訴求方法や、購入に至る決定要因などを把握するための検討を行います。製品・サービスが複数の顧客層をターゲットにするケースであれば、顧客層別にその内容を記載する必要があります。
顧客ニーズは性能・機能、経済性、趣味・嗜好などに分解できます。各市場・顧客においてどのようなニーズがあるか、そのウェイト配分についても明らかにします。
BtoB取引の場合は、顧客企業の経営規模、経営状況、事業形態、商品の扱い状況などの属性や実態を確認します。顧客企業の先に最終的なユーザーがいれば、その属性に関しての把握も必要です。
参入方策については、技術やブランド、製品・サービスの性能といった購入決定要因によって方策が異なります。たとえば、顧客の購入決定要因が実績重視であれば、無償・有償などのモニタで十分に実績を作って訴求する、といった方策を検討します。
こうした狙うべき市場・顧客を細分化する際は主観に頼らず、これまで行ってきた顧客ニーズに関する文献調査やインタビューなどのフィールド調査の結果に基づき、必要に応じてさらなる調査を加え、客観的に分析することが重要です。
まとめ方の例として、下図のようなテンプレートを使用する方法もあります。
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以上6回にわたり、新事業開発の進め方を新製品・新商品のテーマ探索からビジネスプランの策定までの一連の流れをご紹介しました。皆様の新規事業開発検討のお役に立つことを祈念しています。
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◆新規事業開発支援 課題に応じてカスタマイズ可能な支援プログラム:研修から事業開発伴走支援まで
https://www.jmar.biz/business_development/
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