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2024.06.05 UP

AI時代だからこそ重要性が高まる「取材術」のポイント【第2回】





※第1回目のコラムはこちらからご覧ください。

●コラムの内容
※無断転載・引用禁止




「取材術」のPoint2:どこの誰に取材をすべきかあたりをつける

直接取材の重要性がわかったところで、実際の「取材先」の探索とその進め方が、調査の成果に大きな影響を与えます。市場調査の場合は、その市場に関するデータやマーケットシェアなどから取材すべき主要企業をリストアップします。そのリストから、最も重要な取材先を「本丸」とし、その他の中堅~下位企業、または新規参入企業や撤退企業など、関連情報源もできるだけリストアップしておきます。

その他の情報源としては、業界団体、研究機関、業界紙などのマスコミや出版社などが挙げられます。新聞や雑誌にインタビュー記事などが出ていた場合は、「記事を拝見して大変興味を持ち、連絡させていただきました」とメールを送ったり、書籍を出している著者であれば、著者略歴に連絡先やメールアドレスが記載されている場合がありますので、勇気を出してアプローチをしてみましょう。こちらが真摯に問合せをすれば、案外連絡を頂けるものです。

また、技術者であれば大学や企業の研究機関から発行されている「技術論文」の著者、または「特許情報」の研究開発者、申請者などから取材先となり得る人物をリストアップすることができます。注目した技術や特許情報をもとに直接連絡を取り、取材を依頼することもよくあります。

また、リストアップが難しい場合は、その業界に詳しい人や団体、企業へ相談して、調査テーマにふさわしい人を紹介してもらうのも一法です。そこで紹介された人へファーストコンタクトをとりながら、さらにふさわしい取材対象となる企業や人を芋づる式に探索していきます。
「取材術」の中でも、取材をしたい人、取材すべき人のリストアップと、このコンタクトは特に重要なポイントになります。




「取材術」のPoint3:取材前に「業界常識」の確認

取材先候補のリストアップができたら、アポイントをとって「取材」に入りますが、その前に「調査テーマ」に関する「業界常識」を確認しておくことが重要です。
具体的には、その業界の沿革や市場規模、業界シェアなど業界俯瞰図のようなもの(業界地図)を頭に入れておくことです。取材のやりとりでトンチンカンな受け答えをしてしまうと信用を失ってしまうので、基本はしっかりおさえておきましょう。

例えばある特定の市場規模について取材する場合、おおよその「業界地図」が頭に入っていれば、結果が想定していたよりかなり大きかった/小さかった場合も、「予想していた規模感と異なるのですが…」とその場で確認することができます。
なお、想定していた市場規模と大きく異なる場合、その市場規模のとらえ方(「定義」や「範疇」)が事前に想定していたものと違う、という可能性もあります。こちらの想定していた市場の「範疇」に「何か」が入っていたり、入っていないことによる違いです。また、暦年(1~12月)で捉えているのか、年度(4~3月)なのか、という時期による差異の場合もあります。
また、ある製品の「数量」について、その業界の常識では「セット(2個で1セット)」でカウントする慣習がある、といった場合もあります。把握した市場規模から算出した単価が想定より大きく外れている場合は、業界の「数量」「単位」のとらえ方も確認する必要があるでしょう。




「取材術」のPoint 4:急がば回れ、本命は最後にアプローチ

予備調査の後は、実際の「取材」に取り掛かります。取材は「聞きやすい人」から行い、最終的に本命となる「聞くべき人」にアプローチをするのが基本です。

拙速に調査に取り掛かって、重要な本命の人物への取材を断られたり、十分な情報が得られなければ、元も子ありません。「取材」の基本はあくまでも情報のギブ・アンド・テイクであるため、周辺から取材を進め、様々な情報や「新しい」情報を仕込んでから「本命」にアプローチするのが定石です。

また、上位メーカーと下位メーカー、国内企業と外資系企業など、市場のそれぞれの立場で「見えている風景」が異なります。事前に様々な立場への取材により多面的な情報を仕入れてから「本命」の取材に臨めば、それまで仕込んだ「情報」のギブ・アンド・テイクによって取材をうまく進められる可能性が高まります。まさに本命への取材は「急がば回れ」です。




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