受験生とその親に聞く受験の悩み調査

2015年10月20日

受験勉強がはかどらない最大の理由は「集中力の低下」

はかどらないと感じる頻度が高い受験生ほど「集中力の低下」がその原因と考える傾向が顕著

株式会社日本能率協会総合研究所(JMAR)では、このたび、大学進学意向がある高校生およびその親を対象として、受験勉強に関する悩みの実態を明らかにするために親子アンケート調査を行いました。本リリースでは調査結果の一部をご紹介いたします。

調査概要

調査名称 受験生とその親に聞く受験の悩み調査
調査期間 2015年8月19日(水)~8日31日(月) 13日間
調査対象 ① 受験生:大学進学意向があり、1日平均1時間以上、学校外(自宅や塾、図書館等)
で勉強している高校1年生~高校3年生
② 上記の条件を満たす受験生と同居している父親または母親
調査方法 FAX調査
※日本能率協会総合研究所が保有する世帯登録型アンケートモニターを活用
回答数 600人(内訳:高校生300人、その親300人)

トピックス

1.受験勉強が順調だと言い切れる受験生はわずか4%。親はわが子の順調度についてやや楽観的

  • 全体の47%が順調と回答するものの、「順調だと思う」4%、「まあ順調だと思う」43%。
  • 子どもが「あまり順調ではない」と思っている一方で、親が「まあ順調だと思う」と認識しているギャップが顕著。

2.受験生のほぼ全員が「勉強がはかどらない」と感じた経験あり

3.受験勉強がはかどらない最大の原因は「集中力の低下」

  • 「集中力が途切れる・気が散ってしまう」は子ども、親ともに1位(子ども88.7%、親82.3%)。
  • 勉強がはかどらない頻度が高い(よくある+時々ある)受験生に限定してみると、「集中力が途切れる・気が散ってしまう」は9割を超える。

本リリースに関するお問い合わせ

株式会社日本能率協会総合研究所 グローバル事業部 消費者研究部

住所 〒100-0004 東京都千代田区大手町2-2-1 新大手町ビル2階
TEL :03-6202-1287
e-mail :info@jmar.biz
担当 真上 稲富

回答者属性

受験生

受験生の親

トピック1:受験勉強は順調ですか?

【子どもの回答】
全体の47%が順調と回答するものの、「順調だと思う」4%、「まあ順調だと思う」43%であり、自信をもって順調だと言える受験生はごくわずか。※図表1

「順調+まあ順調」でみると、高校3年生は他学年より10ポイント程度高い。※図表1
【親の回答】
全体の63%が「子どもの勉強は順調」または「まあ順調」と回答。全体的に子どもの認識よりも楽観的な傾向。特に高校3年生の親は順調だと考える傾向が高い。※図表2
【子ども回答と親の回答の比較】
子どもの認識と親の認識はおよそ類似しているが(相関係数r=.45)、若干のギャップがある。具体的には、子どもが「あまり順調ではない」と思っている一方で、親が「まあ順調だと思う」と認識しているギャップが顕著。
※図表3-1、3-2

図表1:受験勉強の順調度:子どもの回答(n=300)

図表2:受験勉強の順調度:親の回答(n=300)

図表3-1:受験勉強の順調度・子どもと親の認識のギャップ(子ども、親それぞれn=300)

図表3-2:受験勉強の順調度・子どもと親の認識のギャップ(子ども、親それぞれn=300)

トピック2:受験勉強がはかどらないと感じることはありますか?

【子どもの回答】
全体の9割以上が「勉強がはかどらない」と感じた経験あり(「よくある」~「たまにある」の合計)。はかどらないと感じる頻度として「よくある」を選択した割合に注目すると、特に高校2年生で高い。※図表4
【親の回答】
全体の9割以上が「子どもの勉強がはかどっていない」と回答(「よくある」~「たまにある」の合計)。はかどらないと感じる頻度として「よくある」を選択した割合に注目すると、子どもの回答と同様、特に高校2年生の親で高い。※図表5
【子ども回答と親の回答の比較】
子どもの認識と親の認識の類似性はそれほど高くなく(相関係数r=.33)、ギャップがある。具体的には、勉強がはかどらない頻度について、子どもが「時々ある」と思っている一方で、親が「たまにある」程度だと感じているというギャップが顕著。※図表6-1、6-2

図表4:受験勉強のはかどり具合:子どもの回答(n=300)

図表5:受験勉強のはかどり具合:親の回答(n=300)

図表6-1:はかどり具合・子どもと親の認識のギャップ(子ども、親それぞれn=300)

図表6-2:はかどり具合・子どもと親の認識のギャップ(子ども、親それぞれn=300)

トピック3:受験勉強がはかどらない理由は?

【子どもの回答】
1位は「集中力が途切れる・気が散ってしまう」で88.7%。次いで「眠気」、「勉強が嫌い・やる気がしない」が続く。勉強がはかどらない頻度が高い層(よくある+時々ある)に限定してみると、1位の「集中力が途切れる・気が散ってしまう」は9割超。※図表7
【親の回答】
1位は「集中力が途切れる・気が散ってしまう」で82.3%。次いで「眠気」が続く。子どもの回答と異なり、3位に「友達とスマホやケータイでやり取りしてしまう」が挙げられている。※図表8
【子ども回答と親の回答の比較】
子ども・親ともに、「集中力」「眠気」の2つが勉強がはかどらない原因であると強く感じている傾向がうかがえる。また、子どもの「焦りを感じる」の割合が53.7%であるのに対し、親の割合は26.3%と半分以下となっており、子どもの焦りについて親は共有できていない傾向がうかがえる。※図9

図表7:勉強がはかどらないと思う原因:子どもの回答(複数回答、n=300)

図表8:勉強がはかどらないと思う原因:親の回答(複数回答、n=300)

図表9:勉強がはかどらない原因・子どもと親の回答のギャップ(子ども、親それぞれn=300)

株式会社日本能率協会総合研究所について

株式会社日本能率協会総合研究所は、お客様の経営革新と社会の発展を使命とする日本能率協会グループのシンクタンクとして、専門性に裏打ちされた確かなリサーチを提供しています。主な事業として、官公庁の政策・計画立案に資する調査研究、民間企業向けマーケティング・リサーチ、および会員制のビジネス情報提供サービスを行っています。