本シリーズでは、既存の商品や技術を従来の顧客から新たな顧客や業界に展開することによる新市場探索、新事業開発の進め方を説明しています。
第1回から第2回は「探索市場の設定」として、代替ターゲットを定めてその用途市場を幅広く探索する方法、成長市場探索の方法、これらを総括して新用途、新市場を発想するための技法についてご説明しました。
第3回では「有望用途市場の評価選定」として、これらの活動から得られた用途市場に関するビジネスチャンスを評価選定する方法と考え方についてご説明します。
図表 日本能率協会が考える代表的な技術・製品の新用途・新市場探索の進め方(ビジネスプランニングまでの連載予定)
第1回から第2回は「探索市場の設定」として、代替ターゲットを定めてその用途市場を幅広く探索する方法、成長市場探索の方法、これらを総括して新用途、新市場を発想するための技法についてご説明しました。
第3回では「有望用途市場の評価選定」として、これらの活動から得られた用途市場に関するビジネスチャンスを評価選定する方法と考え方についてご説明します。
図表 日本能率協会が考える代表的な技術・製品の新用途・新市場探索の進め方(ビジネスプランニングまでの連載予定)
※無断転載・引用禁止
1.市場別アセスメント
これまでの活動では、代替ターゲットを選定しての用途市場探索、成長市場探索、さらにSN変換発想による探索、と主に自社を起点としてビジネスチャンス探索を行ってきました。
次の活動として、これまで挙がったビジネスチャンスを市場側の視点から評価するために市場動向に関する調査を行います。市場動向に関する調査の項目としては以下の4点です。
1.市場の規模・成長性
・該当する市場の市場規模、成長性
・成長の背景
2.顧客の動向
・該当する市場において自社の見込み客となる顧客の把握
・顧客(業界)の動向
3.競合の動向
・該当する市場において既に参入している企業の把握
・企業のシェアや売上、活動状況
4.問題点・ニーズ
・顧客が抱える問題点や課題
・業界としての今後の課題・ニーズ
上記の結果は「市場別アセスメント」のシートにまとめ、次の活動である用途市場の評価で用います。アセスメントとは、評価、査定の意味で、有望用途市場を選定する際に、その市場を理解するための基礎となるように整理された情報群を指します。
2.用途市場の評価
ここから、各用途市場の評価を行います。評価の視点は、「市場の魅力」と「自社との関連性」の掛け合わせで行います。
まず、「市場の魅力」について「市場別アセスメント」シートに整理された、市場の規模感、顧客、競合等の情報を読み取りながら、以下の内容を中心に評価し、数段階に分けます。
・市場の規模
・市場の成長性
・競合の動向(競争優位性)
・ニーズの強さ 等
この結果を、マトリックスのどちらかの軸にプロットします。
そして、それぞれの市場について、「自社との関連性」を数段階に分けて評価します。「自社との関連性」については以下の内容を中心に判断します。
・技術対応力
・販売対応力
・発展性、波及効果
この活動の結果、総合評価として「市場の魅力」が最大、かつ「自社との関連性」も最大という市場から、「市場の魅力」が最小、かつ「自社との関連性」も最小という市場まで序列化されることになります。
これまでの活動では、代替ターゲットを選定しての用途市場探索、成長市場探索、さらにSN変換発想による探索、と主に自社を起点としてビジネスチャンス探索を行ってきました。
次の活動として、これまで挙がったビジネスチャンスを市場側の視点から評価するために市場動向に関する調査を行います。市場動向に関する調査の項目としては以下の4点です。
1.市場の規模・成長性
・該当する市場の市場規模、成長性
・成長の背景
2.顧客の動向
・該当する市場において自社の見込み客となる顧客の把握
・顧客(業界)の動向
3.競合の動向
・該当する市場において既に参入している企業の把握
・企業のシェアや売上、活動状況
4.問題点・ニーズ
・顧客が抱える問題点や課題
・業界としての今後の課題・ニーズ
上記の結果は「市場別アセスメント」のシートにまとめ、次の活動である用途市場の評価で用います。アセスメントとは、評価、査定の意味で、有望用途市場を選定する際に、その市場を理解するための基礎となるように整理された情報群を指します。
2.用途市場の評価
ここから、各用途市場の評価を行います。評価の視点は、「市場の魅力」と「自社との関連性」の掛け合わせで行います。
まず、「市場の魅力」について「市場別アセスメント」シートに整理された、市場の規模感、顧客、競合等の情報を読み取りながら、以下の内容を中心に評価し、数段階に分けます。
・市場の規模
・市場の成長性
・競合の動向(競争優位性)
・ニーズの強さ 等
この結果を、マトリックスのどちらかの軸にプロットします。
そして、それぞれの市場について、「自社との関連性」を数段階に分けて評価します。「自社との関連性」については以下の内容を中心に判断します。
・技術対応力
・販売対応力
・発展性、波及効果
この活動の結果、総合評価として「市場の魅力」が最大、かつ「自社との関連性」も最大という市場から、「市場の魅力」が最小、かつ「自社との関連性」も最小という市場まで序列化されることになります。
※無断転載・引用禁止
表では、それぞれを3段階に階層化し、掛け合わせの評価を行った結果を示しています。総合評価ランクAは第1プライオリティの用途市場として詳細検討を行うべき用途、Bは第2プライオリティの検討対象と位置付けられます。
注意する点として、このような評価は1人で行うのではなく、部門メンバー、プロジェクトメンバーなど複数人で意見交換しながら行うことが重要です。また、研究所など技術部門でチームを組んでいる場合は、自社との関連性、特に技術要素だけで判断をしたり、市場の魅力に関する理解や視点の置き方が弱い場合があるので、営業部門や事業部門のメンバーをアドバイザーとして評価に参画してもらうといった工夫が必要です。
また若手メンバー中心のプロジェクトの場合は、自社との関連性について会社や自社グループ全体を見る目が不足していたり、市場経験が不足していたりするので、ベテランメンバーにアドバイザーとしてサポートしてもらうケースもあります。ただ、必要以上にサポートメンバーの過去の体験に引きずられないような留意も必要です。
次回は事業開発計画の立案として、これまでのアイデア創出活動をビジネスプランに落とし込んでいく進め方をご説明します。
注意する点として、このような評価は1人で行うのではなく、部門メンバー、プロジェクトメンバーなど複数人で意見交換しながら行うことが重要です。また、研究所など技術部門でチームを組んでいる場合は、自社との関連性、特に技術要素だけで判断をしたり、市場の魅力に関する理解や視点の置き方が弱い場合があるので、営業部門や事業部門のメンバーをアドバイザーとして評価に参画してもらうといった工夫が必要です。
また若手メンバー中心のプロジェクトの場合は、自社との関連性について会社や自社グループ全体を見る目が不足していたり、市場経験が不足していたりするので、ベテランメンバーにアドバイザーとしてサポートしてもらうケースもあります。ただ、必要以上にサポートメンバーの過去の体験に引きずられないような留意も必要です。
次回は事業開発計画の立案として、これまでのアイデア創出活動をビジネスプランに落とし込んでいく進め方をご説明します。
株式会社日本能率協会総合研究所のご支援メニューについて
(株)日本能率協会総合研究所では、新事業創出活動のご支援を行っております。ここまでのコラムでご紹介したようなテーマ創出の活動から事業企画のご支援も、お客様の課題に合わせてカスタマイズしてご支援いたします。さらに、市場動向の把握や、顧客ニーズの把握のための調査のご支援も可能です。詳しくはこちら(下記)のページをご覧ください。
◆新規事業開発支援 課題に応じてカスタマイズ可能な支援プログラム:研修から事業開発伴走支援まで
https://www.jmar.biz/business_development/
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