前回は、科学技術の情報収集・分析を担うシンクタンクのうち、文部科学省所管の2機関(科学技術・学術政策研究所(NISTEP)・JST研究開発戦略センター(CRDS))を対象に、いまどのような「研究開発領域」に着目されているか、についてご説明いたしました。
今回は、引き続き、科学技術の情報収集・分析を担うシンクタンクのうち、経済産業省所管のNEDO技術戦略研究センター(TSC)と、特許庁について取り上げていきます。
今回は、引き続き、科学技術の情報収集・分析を担うシンクタンクのうち、経済産業省所管のNEDO技術戦略研究センター(TSC)と、特許庁について取り上げていきます。
(1) NEDO技術戦略研究センター(TSC)「TSC Foresight」
技術戦略研究センター(TSC)は、産業技術やエネルギー・環境技術分野の技術戦略の策定及びこれに基づく重要なプロジェクトの構想に取り組む研究機関です。2050年の脱炭素化社会実現のために注目される「環境・エネルギー」「再生可能エネルギー」など、6分野の技術テーマについて、最新の技術動向を「TSC Foresight」としてまとめています。内容は「技術の概要」、「技術の置かれた状況」、「技術の課題」など国や研究機関などにおける今後の技術戦略策定のための基礎資料となっています。企業の研究開発者はもちろん、経営企画や営業、マーケティングなどのビジネスマンにとっても注目すべき内容でしょう。
<TSC Foresightレポート対象分野>
・エネルギーシステム・水素分野
・再生可能エネルギー分野
・環境・化学分野
・バイオエコノミー分野
・デジタルイノベーション分野
・ナノテクノロジー・材料分野
<2021年度>
「再生可能エネルギー熱利用分野の技術戦略策定に向けて」
「自律分散システム分野の技術戦略策定に向けて」
「人間情報応用分野の技術戦略策定に向けて」
「スマートテレオートノミー分野の技術戦略策定に向けて」
「次世代の IoT 社会に向けたナノテクノロジー・材料分野の技術戦略策定に向けて」
<2020年度>
「次世代バイオ燃料(バイオジェット燃料)分野の技術戦略策定に向けて」
「熱エネルギー分野の技術戦略策定に向けて」
「人工知能(意味理解)分野の技術戦略策定に向けて」
<2019年度>
「機能性化学品製造プロセス分野の技術戦略策定に向けて」
「資源循環(プラスチック、アルミニウム)分野の技術戦略策定に向けて」
「微生物群の利用及び制御分野の技術戦略策定に向けて」
「バイオプラスチック分野の技術戦略策定に向けて」
「AI を活用したシステムデザイン(AASD)技術分野の技術戦略策定に向けて」
「金属積層造形プロセス分野の技術戦略策定に向けて」
(2) 特許庁「特許出願技術動向調査」
特許庁は毎年、注目している技術テーマについて「特許出願技術動向調査」を作成しています。各技術テーマについて特許情報分析をもとに日本の技術の強み・弱み、競合する国や企業の動向、各国の政策や規制、市場動向などをまとめています。これまで250件以上の報告書が作成されています。
「特許出願技術動向調査」は、公募により1テーマあたり数百万円の予算をかけて専門の調査機関が実施しており、個別企業では費用的になかなか実現できない調査ではないでしょうか。
「特許出願技術動向調査」の特長
■ 力を入れるべき分野がわかる
・要素技術や発明の課題を整理
・整理した要素技術ごとに特許出願を分析
・日本の強みや弱みがわかり、今後の方向性を示唆
■ ライバル国・ライバル企業の特許情報を分析
・有力な出願人が一目瞭然
・有力な出願人の出願戦略を分析
・要素技術ごとのランキングから、共同研究先の探索も可能
■ 出願動向以外の情報も合わせた総合的な分析
・テーマに合わせて、論文や市場、関連政策等の調査も実施
・論文動向と市場動向を見ることで、基礎研究から実用化までをカバー
・市場で強みを持っている企業を出願動向から分析
・各国の規制状況など、政策的な視点が加わった分析
最新の「技術動向調査」報告書は、毎年4月頃に公表されます。その年に公募している「技術動向調査」のテーマ(翌年公表)についても、これから注目すべき技術テーマとしてチェックしておくとよいでしょう。
【最近の調査テーマ】
<2021年度公募テーマ> 2022年4月頃公表予定
・教育分野における情報通信技術の活用
・手術支援ロボット
・ウイルス感染症対策
・GaNパワーデバイス
<2020年度> 2021年4月公表予定
・触覚センシング
・スマート農業
・MaaS(Mobility as a Service)~自動運転関連技術からの分析~
・中分子医薬
・プラスチック資源循環
・機械翻訳
・撮像装置における画像処理
<2019年度>
・インフラ設備のIoTを活用した維持管理技術
・スポーツ関連技術
<2018年度>
・三次元計測
・電子ゲーム
・次世代光ファイバ技術
特許庁は毎年、注目している技術テーマについて「特許出願技術動向調査」を作成しています。各技術テーマについて特許情報分析をもとに日本の技術の強み・弱み、競合する国や企業の動向、各国の政策や規制、市場動向などをまとめています。これまで250件以上の報告書が作成されています。
「特許出願技術動向調査」は、公募により1テーマあたり数百万円の予算をかけて専門の調査機関が実施しており、個別企業では費用的になかなか実現できない調査ではないでしょうか。
「特許出願技術動向調査」の特長
■ 力を入れるべき分野がわかる
・要素技術や発明の課題を整理
・整理した要素技術ごとに特許出願を分析
・日本の強みや弱みがわかり、今後の方向性を示唆
■ ライバル国・ライバル企業の特許情報を分析
・有力な出願人が一目瞭然
・有力な出願人の出願戦略を分析
・要素技術ごとのランキングから、共同研究先の探索も可能
■ 出願動向以外の情報も合わせた総合的な分析
・テーマに合わせて、論文や市場、関連政策等の調査も実施
・論文動向と市場動向を見ることで、基礎研究から実用化までをカバー
・市場で強みを持っている企業を出願動向から分析
・各国の規制状況など、政策的な視点が加わった分析
最新の「技術動向調査」報告書は、毎年4月頃に公表されます。その年に公募している「技術動向調査」のテーマ(翌年公表)についても、これから注目すべき技術テーマとしてチェックしておくとよいでしょう。
【最近の調査テーマ】
<2021年度公募テーマ> 2022年4月頃公表予定
・教育分野における情報通信技術の活用
・手術支援ロボット
・ウイルス感染症対策
・GaNパワーデバイス
<2020年度> 2021年4月公表予定
・触覚センシング
・スマート農業
・MaaS(Mobility as a Service)~自動運転関連技術からの分析~
・中分子医薬
・プラスチック資源循環
・機械翻訳
・撮像装置における画像処理
<2019年度>
・インフラ設備のIoTを活用した維持管理技術
・スポーツ関連技術
<2018年度>
・三次元計測
・電子ゲーム
・次世代光ファイバ技術
<情報源一覧>
■国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構,「TSC Foresight」
https://www.nedo.go.jp/library/foresight.html
■特許庁,「特許出願技術動向調査」
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html
■国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構,「TSC Foresight」
https://www.nedo.go.jp/library/foresight.html
■特許庁,「特許出願技術動向調査」
https://www.jpo.go.jp/resources/report/gidou-houkoku/tokkyo/index.html
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