『No.1マーケティング調査の考え方』では、
No.1マーケティングを効果的なものとするためのポイントや留意事項を
コラムシリーズ形式でお届けしています。
第2回目となる今回は、No.1マーケティングを行う目的と、
より効果的なNo.1マーケティングを行うための調査の考え方についてご紹介いたします。
◆第1回 「No.1マーケティングの種類とその効果」はコチラ
より効果的なNo.1マーケティングを行うための調査の考え方についてご紹介いたします。
◆第1回 「No.1マーケティングの種類とその効果」はコチラ
1.なぜNo.1マーケティングか?
前回コラムでは、No.1マーケティングの種類と効果について、主に消費者側の視点からご紹介しましたが、そもそも多くの企業は、なぜNo.1マーケティングを行おうとするのでしょうか。
これは、改めて言うまでもなく、No.1であることを販促に役立て、他社の製品・サービスとの差別化を図り、最終的には自社の売上拡大に繋げるためだと思います。
しかし、この目的を達成するために「売上No.1」「シェアNo.1」「認知度No.1」といった訴求は、果たして本当に有効でしょうか?この訴求によって、自社が目指している姿に近づけるでしょうか?まずこれを考える必要があります。
これは、改めて言うまでもなく、No.1であることを販促に役立て、他社の製品・サービスとの差別化を図り、最終的には自社の売上拡大に繋げるためだと思います。
しかし、この目的を達成するために「売上No.1」「シェアNo.1」「認知度No.1」といった訴求は、果たして本当に有効でしょうか?この訴求によって、自社が目指している姿に近づけるでしょうか?まずこれを考える必要があります。
2.ブランド戦略に沿ったNo.1マーケティングを
「とにかくたくさん売れてます!」「業界No.1!」は、非常にわかりやすく、強い訴求となります。しかし、その反面、自社の製品・サービスをチープなものに見せてしまう恐れがあります。例えば、きめ細やかなアフターサービスを伴った高付加価値なバッグブランドが「一番売れてます!」と訴求しても、効果は薄いでしょう。むしろ、リーズナブルで庶民的なイメージが付くリスクが生じます。
また、「何でもいいからとにかくNo.1にしたい」と恣意的な調査を行ったとしても、聞いたことのないブランドが「人気No.1!」と謳っていれば、疑念を抱かれてしまったり、不信感を与えてしまう可能性があるかもしれません。特に消費財の世界では、商品やブランドが身近に感じられるため、違和感を与えやすいかもしれません。
No.1マーケティングは、自社の戦略に沿ったターゲットと出口を見据えて検討することが必要です。サービス・ブランドのコアコンセプト、あるべき姿、訴求すべき強みを整理し、それをどのようなターゲットに向けてメッセージしたいのか。そのメッセージを作り上げるという目的に沿って、競合企業に勝っているポイント/勝てないポイント、訴求したいこと/訴求しなくてもいいこと、をクリアにしましょう。
先述の高付加価値なバッグブランドであれば、
・ユーザーの満足度や製品の使い勝手、アフターサービスの充実度なら勝てる…
・単価が高いので売上の「量」は勝てない…
・売上の「金額」はNo.1だろうけど、上品な訴求にしないと既存顧客が離れるかな…
といったポイントを整理していきましょう。
こうしたブランド戦略を意識しつつ、製品・サービスをより魅力的にみせることを念頭に置くことで、より有効なNo.1マーケティングとなるはずです。
また、「何でもいいからとにかくNo.1にしたい」と恣意的な調査を行ったとしても、聞いたことのないブランドが「人気No.1!」と謳っていれば、疑念を抱かれてしまったり、不信感を与えてしまう可能性があるかもしれません。特に消費財の世界では、商品やブランドが身近に感じられるため、違和感を与えやすいかもしれません。
No.1マーケティングは、自社の戦略に沿ったターゲットと出口を見据えて検討することが必要です。サービス・ブランドのコアコンセプト、あるべき姿、訴求すべき強みを整理し、それをどのようなターゲットに向けてメッセージしたいのか。そのメッセージを作り上げるという目的に沿って、競合企業に勝っているポイント/勝てないポイント、訴求したいこと/訴求しなくてもいいこと、をクリアにしましょう。
先述の高付加価値なバッグブランドであれば、
・ユーザーの満足度や製品の使い勝手、アフターサービスの充実度なら勝てる…
・単価が高いので売上の「量」は勝てない…
・売上の「金額」はNo.1だろうけど、上品な訴求にしないと既存顧客が離れるかな…
といったポイントを整理していきましょう。
こうしたブランド戦略を意識しつつ、製品・サービスをより魅力的にみせることを念頭に置くことで、より有効なNo.1マーケティングとなるはずです。
3.No.1調査の考え方 ~競争カテゴリーと評価軸~
そして、No.1調査の検討に当たっては、どんな競争カテゴリーで、どんな評価軸・指標ならNo.1になり得るか、を考える必要があります。
多くの場合、既存市場には高いシェアを誇る大手・有力企業が存在しています。しかし、No.1マーケティングを活用して売上拡大を目指すフェーズの会社は、こうした大手・有力企業ばかりではないと思います。
大きな括りの「市場」全体でNo.1と言うのは容易ではありませんので、ひと工夫、つまり、新たなカテゴリーを見出すことが突破口になります。
例えば、
・「自動車販売」市場全体ではNo.1ではないが、
「中古」の「特定の車種」に限った「売上台数」であれば恐らくNo.1だろう…
・「化粧品」全体や「スキンケア化粧品」ではNo.1ではないはずだが、
「洗顔料」の「特定の剤型」に限った「満足度」ならばNo.1かもしれない…
と、切り込んで可能性を探していきます。
こうして自社の製品・サービスをサブセグメントに捉え直すことで、No.1になる可能性を高めるだけでなく、自社の強みをわかりやすく打ち出した、効果的な訴求にすることができます。
事実、このようなサブカテゴリーでそれぞれがNo.1を訴求するケースは多く、例えば「ビール」「発泡酒」「第三のビール」でそれぞれNo.1を標榜するブランドが存在します。
ただし、注意点としては、あまり細かく切り込まないほうが良いでしょう。
例えば、「医薬部外品で、生薬が配合された、エイジングケア用途に特化した美容液で、売上金額No.1」となると、冗長でわかりづらく、納得感も低くなります。
競争カテゴリーや評価軸がうまく設定できない場合や、仮説がない場合は、我々と一緒に検討しましょう。
JMARは、定量系調査も業界系調査も手掛けており、これら両方を組み合わせた調査のご提案なども可能です。また、調査を進めながら訴求の切り口を探していく、「探索型No.1調査」がご提案できる場合もあります。
以上を踏まえ、次回はコンシューマーを対象とした定量系のNo.1調査のポイントについてご紹介します。
多くの場合、既存市場には高いシェアを誇る大手・有力企業が存在しています。しかし、No.1マーケティングを活用して売上拡大を目指すフェーズの会社は、こうした大手・有力企業ばかりではないと思います。
大きな括りの「市場」全体でNo.1と言うのは容易ではありませんので、ひと工夫、つまり、新たなカテゴリーを見出すことが突破口になります。
例えば、
・「自動車販売」市場全体ではNo.1ではないが、
「中古」の「特定の車種」に限った「売上台数」であれば恐らくNo.1だろう…
・「化粧品」全体や「スキンケア化粧品」ではNo.1ではないはずだが、
「洗顔料」の「特定の剤型」に限った「満足度」ならばNo.1かもしれない…
と、切り込んで可能性を探していきます。
こうして自社の製品・サービスをサブセグメントに捉え直すことで、No.1になる可能性を高めるだけでなく、自社の強みをわかりやすく打ち出した、効果的な訴求にすることができます。
事実、このようなサブカテゴリーでそれぞれがNo.1を訴求するケースは多く、例えば「ビール」「発泡酒」「第三のビール」でそれぞれNo.1を標榜するブランドが存在します。
ただし、注意点としては、あまり細かく切り込まないほうが良いでしょう。
例えば、「医薬部外品で、生薬が配合された、エイジングケア用途に特化した美容液で、売上金額No.1」となると、冗長でわかりづらく、納得感も低くなります。
競争カテゴリーや評価軸がうまく設定できない場合や、仮説がない場合は、我々と一緒に検討しましょう。
JMARは、定量系調査も業界系調査も手掛けており、これら両方を組み合わせた調査のご提案なども可能です。また、調査を進めながら訴求の切り口を探していく、「探索型No.1調査」がご提案できる場合もあります。
以上を踏まえ、次回はコンシューマーを対象とした定量系のNo.1調査のポイントについてご紹介します。
No.1立証・検証調査についてのお問い合わせ先
株式会社日本能率協会総合研究所 経営・マーケティング研究部(担当:池田・稲富)
TEL:03-3578-7607
E-mail:info@jmar.biz
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株式会社日本能率協会総合研究所について
株式会社日本能率協会総合研究所は、お客様の課題解決を使命とする日本能率協会グループの調査・研究機関として、専門性に裏打ちされた確かなリサーチを提供しています。インターネット調査、紙媒体(郵送・FAX)調査などさまざまなリサーチを民間企業や大学、公共機関のお客様に長年ご利用いただいております。