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2025.12.03 UP

30分で学ぶ統計解析 『平均値の差の検定』 編

〇 複数の商品コンセプトの中から、最も魅力度評価が高いコンセプトを選ぶ
〇 20代、30代、40代のうち、最もサービス利用頻度が高い年代を見つける
〇 研修を受ける前と研修3ヶ月後で、セキュリティ意識に変化があったか確認する

これらは一例ですが、ビジネスではこうした「平均値を比較する」場面が多々あります。その際、誤差に惑わされることなく「意味のある差」を見つけていくことが重要です。そのためには、「平均値の差の検定」を行うための各種手法を学ぶ必要があります。

本動画では、「平均値の差の検定」の概要、Excelでの実施方法、実務での活用方法を“やさしく・実践的に”学ぶことができます。



◆30分で学ぶ統計解析セミナー
平均値の差の検定を仕事に活かす:計算の仕組みと実践活用のポイントを学ぶ


こんな方におすすめ!
 ◆ データ分析について基礎力を身に付けたい方
 ◆ 平均値の差の検定の各種手法をしっかり理解したい方
 ◆ 分析結果を適切に実務で活かしたい方




プログラム

1. 平均値の差を検定するための各種手法
2. Excelで実際に平均値の差を検定してみましょう
3. 実務で平均値の差を検定して活用する際のポイント




講師

 株式会社日本能率協会総合研究所
 MDB事業本部 経営・マーケティング研究部
 部長 稲富 健

【略歴】
民間企業のマーケティング戦略立案支援を目的とした様々なリサーチ・コンサルティングに従事。部門全体としては年間200案件を超える、リサーチをベースとしたコンサルティング・マーケティング支援の統括責任者。専門統計調査士を保有。

<執筆・取材>
日本経済新聞:日本経済新聞「私見卓見」(2019年 8月15日付)
技術情報協会:研究開発リーダー(2020年3月号) 高齢者マーケティングを成功させるために必要となる視座
ビジネス誌「PRESIDENT」(2021年5月):アクティブシニア特集
ファイナンシャルプランナー向け業界誌 “KINZAI Financial Plan”(2022年8月)



本動画に関するお問い合わせ

株式会社日本能率協会総合研究所 経営・マーケティング研究部
担当:稲富
住所:〒105-0011 東京都港区芝公園3-1-22 日本能率協会ビル
TEL:03-3578-7607 
e-mail:info_mlmc@jmar.co.jp



本動画の要約

1. ビジネスシーンにおける平均値比較の重要性
魅力度評価、製品満足度、研修理解度、ESなど、多くのビジネス領域で「平均値」が登場する。
しかし平均値を単に見比べるだけでは誤解が起きる。
→ 見えている差が偶然によるものか、母集団の差かを区別する必要がある。

2. サンプリングデータ vs 全数データ
サンプリングデータ:母集団の一部。サンプリング調査の結果は1つの値に定まらず、一定の範囲でブレる(標本誤差)。→検定が必要。
全数データ:すでに母集団そのもの。→検定は不要。
例:自社全社員のES調査の結果を検定するのは不適切。

3. 検定のロジック
実務上では、平均値の差が
① サンプリング誤差による偶然の差なのか
② 母集団の傾向差による本物の差なのか
を統計的に判定する。
基準:P値 < 0.05 なら有意(確率的にあまり起こり得ない差=意味がある差)。

4. 手法の使い分け
比較する平均値の値の数と対応の有無から判断する。
 対応なし=異なる集団の平均値を比較
 対応あり=同一集団から得られる平均値を比較
●比較する平均値の数が「2つ」× 対応なし⇒t検定(対応なし)
 例:Z世代男性 vs Z世代女性 の魅力度スコア
●比較する平均値の数が「2つ」× 対応あり⇒t検定(対応あり)
 例:研修前のスコア vs 研修後のスコア
●比較する平均値の数が「3つ以上」× 対応なし⇒分散分析(被験者間要因)
 例:製品A/B/Cの満足度スコア
●比較する平均値の数が「3つ以上」× 対応あり⇒分散分析(被験者内要因)
 例:同一被験者が複数条件を評価

5. Excelでの実施ポイント
[データ]タブ → データ分析 → t検定・分散分析を選択。
検定の結果を出力しているのは P値(両側 or ANOVAのP値)。
P値 < 0.05 → 統計的に有意。

6. 実務で平均値の差の検定を活かす際のポイント
●サンプルサイズが大きいほど有意になりやすい。
 同じ魅力度スコア(男性4.5 vs 女性4.8)を検定した場合
 サンプルが少ない → 非有意
 サンプル900名ずつ → 有意
●「有意」の意味を正しく理解する
 統計的検定はあくまで、 サンプリングによる偶然の差なのか、
 母集団傾向の違いの差かを判定しているにすぎない。
 有意な差=ビジネス的に有意ではない
→ 効果量やインパクトを必ず確認する。
●全数調査に統計的検定は不要(誤用に注意)。
●手法の選択ミス(対応あり/なし)は致命的。
●多群間で「どれとどれが異なるか」を判断するには多重比較が必要。
●性別×地域など複雑な比較では二要因分散分析が必要。

7. まとめ
平均値比較には「数値の揺れ(標本誤差)」を考慮するための検定が不可欠。
平均の数 × 対応の有無の組み合わせで最適な手法が決まる。
ExcelでP値を見るだけで、多くのケースは適切に判定できる。
ただし最終的には、統計的有意性 + ビジネス的妥当性の両方を踏まえて判断することが不可欠。
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