結果概要:生活習慣病治療に関する患者意識調査報告


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考察

 生活習慣病治療には、服薬はもとより、食事、運動、ストレス、喫煙、飲酒といった生活習慣の改善が不可欠であり、患者の治療モチベーション向上のためには、医療者と患者の良好なコミュニケーションが重要である。今回の調査では、生活習慣病患者の9割近くが医療者とのコミュニケーションに満足しているという好ましい結果が得られた。 また、生活習慣病治療は、治療期間が長く、服用薬剤数も多いことから、「治療費の安さ」も満足度の大きな要因になると思われたが、「治療の要望点」として挙げた患者は全体の約3割にとどまった。患者が治療に求めるのは、「薬の安全性」「薬の効果」「医師・薬剤師の知識・技術」、すなわち“安全”に“治る”ことであり、それらは、医療者とのコミュニケーションや医療費負担軽減を凌ぐ要因であることが示された。 ジェネリック医薬品については、政府の利用推進や医薬品メーカーのマスメディアを使った宣伝活動の影響もあってか、認知度が非常に高かった。

 しかし、一方でジェネリック医薬品服用者の過半数が、現在自分が服用している薬がジェネリック医薬品であることを認識していなかった。また、認知内容については、「薬価の安さ」「主成分が先発医薬品と同等であること」「効果と安全性が先発医薬品と同等であること」の3項目に偏り、さらに、それがジェネリック医薬品の魅力点と一致する結果となった。また、今まで認知していなかったものの、本調査の情報提示によって不安を感じた項目として、「先発医薬品と反応が異なる可能性がある」「臨床試験は行われていない」「先発医薬品と異なる添加物が含まれている」などが挙げられた。今後は、患者の立場に立って、ジェネリック医薬品のメリット面に偏ることなく、リスク面も含めた特徴の周知徹底や、不安解消のための正確で迅速な情報提供などが、医療関係者に求められているといえる。

 先発医薬品に関しては、「新しく研究開発された薬である」「薬価が高い」「厚生労働省の承認を受けて発売される」といった基本的な特徴を認知している。しかし、その一方で、先発医薬品の特徴を「1つも知らない」とした患者も2割超も存在することが明らかとなった。 また、ジェネリック医薬品と先発医薬品のそれぞれの特徴に関する情報提示後に、両者の処方要求意向をたずねたところ、先発医薬品とジェネリック医薬品を選ぶ患者の割合はほとんど同じであった。これは、昨年実施の他の調査結果(「必ずジェネリック医薬品を選ぶ」31.3%、「場合によってはジェネリック医薬品を選ぶ」65.4%、「必ず先発医薬品を選ぶ」3.3%)3)と比べると、ジェネリック医薬品の処方要求意向がかなり低い結果になったが、その要因の1つには、両医薬品に関する提示情報量の違いが影響したのかもしれない。 昨今、先発医薬品とジェネリック医薬品についての調査や議論が活発になってきているが、場合によっては、患者にとっては与えられる両者の情報が乏しい中で、処方の選択を迫られている状況にあるのかもしれない。“安全”に“治る”という満足度の高い生活習慣病治療の実現のためには、まず、医療関係者から患者に対し、正確かつ適切な情報提供を行うことが求められているといえるだろう。

文献

1)厚生労働省:平成18年 人口動態統計
2)厚生労働省:平成17年度 国民医療費の概況
3)公正取引委員会:医療用医薬品の流通実態に関する調査報告書.平成18年9月


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JMA Reserch institute inc